今回は『すずめの戸締まり』の物語の作中で、重要なカギとなる後ろ戸を閉める鍵や閉じ師、そして草太の家業である閉じ師についての内容となります。
『すずめの戸締まり』で物語の根幹となっている後ろ戸や閉じ師について、本編を元に解説しています。気になってしまう点について深く迫った内容となっているので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね!
すずめの戸締まりの後ろ戸とは?生涯に入れるのは一人一つまで
『すずめの戸締まり』の物語に登場する後ろ戸、中に入ることができる扉は一人一つで間違いありません。東京で鈴芽は、草太の祖父宗像羊郎が入院している病院に訪れています。そこで宗像羊郎から『人がくぐれる後ろ戸は生涯に一つだけ』を説明を受けていました。
さらに鈴芽は物語序盤、宮崎県の元々温泉街だった場所にある扉に入ろうとしましたが、扉の中に星空が見えているのに入ることはできませんでしたね。
これは鈴芽が4歳だった頃、いなくなった母椿芽を探そうと後ろ戸を開けて中にある常世に迷い込んでいたからです。つまり、鈴芽は4歳当時にくぐった後ろ戸からしか中に入れないということです。
したがって『後ろ戸は生涯で一人一つしかくぐれない』ということで間違いありません。
すずめの戸締まりの閉じ師とは?
閉じ師とは、人が居なくなってしまった場所に現れる、後ろ戸の扉を閉めて回る者を指して閉じ師と言います。もし後ろ戸が開いてしまうと、中からは土地を揺るがすミミズが出現し、地震を引き起こしてしまいます。
そんな事態を未然に防ぐため、扉の出現した場所へ赴いて扉が開かないように、鍵をかけて閉めなければいけないようですね。物語序盤、鈴芽が開けてしまった扉を草太が閉めようとしていました。宮崎県には要石の封印、扉が開いてないかをチェックしに来ていたのでしょう。
宮崎県で扉が開いてミミズが出現した時も、東京でミミズが空一面に広がった時も、鈴芽や草太にしか見えていなかったため、一般人には知覚できない存在のようです。
各地で出現した後ろ戸に鍵をかけてミミズの出現を防ぐのは、閉じ師にしかできない仕事であり、閉じ師が行わなければいけない使命でもあるでしょう。
後ろ戸に差す鍵とは?
作中では序盤から終盤まで、草太や鈴芽が後ろ戸に鍵をかけて閉めていました。椅子に変化して鍵をかけられない草太に代わり、本来は閉じ師ではない鈴芽が鍵をかけているシーンもあったため、閉じ師でなければ扱えない鍵ではないでしょう。
しかし物語序盤で草太は『ミミズが見えているのか』と鈴芽に質問していましたし、東京でミミズが出現した際、一般人にはミミズは見えていなかったため、普通の人には見えず触れないという可能性もありますね。
観覧車で扉を閉める際、草太は鈴芽に『君が鍵をかけてくれ』と頼んでいました。鍵の掛け方が分からない鈴芽に『人が居なくなる前の情景を思い浮かべて』と草太は伝え、同時に草太は祝詞を唱え始めました。
そこで鍵が光を放ち、扉には鍵穴が浮かび上がっていたため、鍵を閉めるには条件を満たす必要があるようですね。
草太の一族の家業
閉じ師は草太の一族の家業で間違いありません。これは神戸で二宮ルミに世話になっていた際、草太自身が『閉じ師は代々続くうちの家業なんだ、これからも続ける』と鈴芽に話していました。
東京で要石の草太をミミズに刺して、一時的に事態が落ち着いた後、鈴芽は草太を助ける方法を聞くため、宗像羊郎が入院する病院を訪れました。
宗像羊郎は草太の祖父であり、草太にとっての閉じ師の師匠に当たる人物です。後ろ戸や要石について鈴芽に話してくれていましたし、宗像羊郎も入院する以前は閉じ師として活動していたのでしょう。
『草太は不出来な弟子だった』とも発言していましたし、宗像家は古くから閉じ師を家業で行い、知識を相伝してきたのだと考えています。
閉じ師の仕事だけでは稼げない
後ろ戸・ミミズ・要石の存在をどれだけの人が認知し、視認できるかは分かりません。ですが宮崎県でミミズが溢れ出た時も、東京の空をミミズが覆い隠していた時も一般人には見えていませんでした。
なので閉じ師という家業は世間に認知されていないでしょう。慈善活動とまでは言いませんが、草太の一族にしか伝わっていない家業であることは間違いないはずです。
神戸の二宮るみの下に世話になっていた際、『閉じ師だけでは食っていけない、教師と両立するよ』と草太は鈴芽に話していましたし、認知されていない家業では収入は得られないでしょう。
なので閉じ師の仕事のみで稼げないのは間違いないです。さらには無収入で行っている可能性が非常に高いですね。
まとめ
今回は『すずめの戸締まり』の作中において、重要なカギとなる閉じ師や扉を閉める鍵、草太の一族が閉じ師を家業にしていることについて、見ていきましたがいかがでしたか?
小説では鍵を閉める情景を想像しながらでしたが、劇場では鮮明に描写された映像で楽しむことができるため、かなり期待しています。小説を読み深めつつ、劇場公開に備えておきましょう!