2022年11月11日より劇場公開となる新海誠監督の新作『すずめの戸締まり』。
今回は先行発売された小説『すずめの戸締まり』の内容からループやタイムリープを題材しているのか、そしてラストの結末は17歳の鈴芽と4歳のすずめが出会った意味について考察してみました!
劇場公開まで残り2か月、楽しみにしている方も多いでしょう。そんな注目作品の考察ですので気になる方はぜひ読んでみてくださいね!では見ていきましょう。
『すずめの戸締まり』のラストシーンで4歳の鈴芽と高校2年生の鈴芽が出会う
遊園地の後ろ戸の時、4歳当時の日記に書かれていた絵、そして夢でも見た全てで共通しているのは『白いワンピースの女性』『星空』『小さな少女』『子供椅子』でした。
物語終盤まで鈴芽は白いワンピースの女性=お母さんの岩戸椿芽で少女が自分なのだ、と思っていました。物語冒頭の夢から覚めたタイミングで『おかあさん!』と叫んでいることからもわかります。子供椅子も椿芽に貰ったモノだと思っていましたね。
物語の最後には、常世で17歳の鈴芽が4歳のすずめに大事にしていた子供椅子を渡していました。その時の鈴芽の外見ですが、草太に着せてもらった大きすぎるシャツを制服のリボンで腰の位置に縛り、解けた髪は当時見たお母さんくらいの長さまで伸びていました。なのでシャツが白いワンピースに見えていたということです。
つまり4歳の時に母だと思っていた女性が17歳の鈴芽であって、今回は自分が椅子を渡す側になっていたということです。
ラストシーンで椅子を受け取った4歳のすずめ、彼女もいずれ17歳になって4歳のすずめに椅子を渡す時が来るのではないでしょうか。
後ろ戸は生涯に入れるのは一人一つまで
物語中盤で草太のおじいちゃんの宗像羊郎から『人がくぐれる後ろ戸は生涯で1つ、見るものによって姿を変える』という発言がありました。そして鈴芽は草太と行動していく中でいくつかの後ろ戸を開けています、ですが中は見れるものの扉の中への干渉はできませんでした。
そして宮城県へ里帰りをした際には、鈴芽が幼少期の時に描いた日記の絵と鈴芽がこれまで扉を開けて見てきた風景は一緒であることを知り、以前に後ろ戸を開けて常世に迷い込んでいた事実を実感しています。
これは4歳の時に地元の宮城県で後ろ戸を開けていて、既に鈴芽が生涯で入れる1つの扉を開けているということです。ですので以前に迷い込んだ扉でなければ鈴芽はくぐることはできません。
4歳の時に母椿芽を探して迷い込んでいた
物語冒頭で見た幼い自分が白いワンピースの女性と出会っている夢、その女性に『すずめ』と呼ばれていました。そして里帰りの際には鈴芽が4歳の時に描いた日記を見つけて読みました。
日記のページをめくると当時母の椿芽を探していたが、見つからない切なさでページは黒塗りが続いていました。ですが最後のページには、夢で見た白いワンピースの女性と幼い鈴芽の姿が描かれていました。
これは4歳の当時、母椿芽を探し回って見つけた後ろ戸をくぐって常世に迷い込んだ、その時に見た光景を日記に記したのでしょう。
未来から過去の自分に椅子を渡したことからループもの?
遊園地で後ろ戸の鍵を閉めた時、草太に『常世は全ての時間が同時にある場所』といっていました。過去の日記から4歳の時に常世に迷い込み椅子を受け取っていました。
物語の最後には17歳の鈴芽が4歳のすずめに椅子を渡しています。そして鈴芽も椅子を拾っていたことを思い出していました。そして椅子を受け取った4歳のすずめは自分が17歳になった時、また4歳のすずめに椅子を渡すのではないでしょうか。
鈴芽や登場人物がループするというより、鈴芽が見る常世の中の出来事がいくつもの世界線で繰り返すループではないのかな、と考えています。
ともかく今回は未来の鈴芽が過去にすずめに子供椅子を渡したということになり、最初に椅子を受け取った時から、未来でこうなることは必然だったということでしょう。
椅子を渡さなかった場合はどうなる?
17歳の鈴芽にとっても4歳のすずめにとっても『子供椅子』はお母さんの椿芽との繋がりだと大事にしていましたが、実際には鈴芽とすずめを後ろ戸+常世と結びつける鍵のような役割を担っていたのではないでしょうか。
椅子の受け渡しがなかったら、受け取らなかった4歳のすずめは後ろ戸の存在や草太と出会ってすらいなかった、とも考えられます。過去と現在を常世で結びつけていたのが椅子の受け渡しですから。
受け渡しがない場合はそれ以降のループも発生しなくなるのではないでしょうか。
まとめ
今回は『すずめの戸締まり』について考察しましたがいかがでしたか?
小説が出たとはいえ、結局謎な部分も多い作品ですので気になってる方も非常に多いと思います。今回の内容がそんな方々の疑問を解消できていれば幸いです。
読み応えがあり、何度でも読み直したくなるような面白さと謎を秘めた作品です。ぜひこれを機に読んでみてくださいね!