「君の名は。」は新海誠監督が脚本も務めている日本のアニメーション映画です。日本だけでなく全世界で愛されており、世界歴代興行収入３位の興行収入250億円超えの爆発的大ヒットを記録しました。「君の名は。」では、物語の重要な鍵であるティアマト彗星が話題になりました。
今回はティアマト彗星とはいったい何なのか？モデルとなった彗星は実在して本当にあるのかと、描かれた軌道が物理的におかしいことと地上に落ちた日はいつなのか？詳しく調べてみました。
君の名はのティアマト彗星とは
ティアマト彗星とは、「君の名は。」に登場する架空の彗星です。作中では周期は1200年で、太陽や地球の周りを通過している彗星の設定です。糸守町では1200年前に隕石が落下して、甚大な被害をもたらしたそうです。物語の冒頭のテレビに映るニュース内では地球に最接近すると紹介されていました。
この彗星の由来のティアマトの名前は、メソポタミア文明の海の女神の名前です。人の形をせず、ドラゴンのいう説では大洪水を起こす竜と形容されていました。巨大な身体は死後解体し、天と地の二つに分けて世界がつくられました。現在では水の姿あるいは動物の姿の説が有力視されています。
この彗星が原因の隕石で大災害を起こしたという伏線として、もしかするとその海の女神の名を名付けたのかもしれませんね。また作中で二つに分裂して隕石が落ちることから、天地創造のことを表しているのではとネット上では言われています。
ティアマト彗星のモデルに実在本当にある？
ティアマト彗星は、実在してモデルとなった彗星はありませんでした。1200年の周期で二度訪れる彗星はないですが、ネット上では「この彗星ではないか？」という意見がいくつかあります。その中から、一部モデルにした可能性がある事例と彗星がありましたので、詳しくご紹介します。
大阪府交野市にある星田妙見宮(小松神社)ですが、西暦812年のスイフト・タットル彗星により落下した隕石が山を抉り、その場所に建てられた神社です。登龍の滝壺と呼ばれている場所が、隕石の落下地点です。
神社付近に大きな湖はありませんが、1200年前の事例で、ティアマトが竜と形容されていたこと。そして主人公が瀧であること。口噛み酒が壺に入っていることなどから、モデルにした可能性が高そうです。
また、ロシアのツングースカ大爆発が、湖がつくられた隕石落下の事例に挙げられていました。1908年に起きた爆発で、長い間原因が判明しなかったそうです。ですが、2013年に科学者の研究から隕石によって起きたと証明されたようです。その他にも海外だと、隕石によってできたといわれる湖はいくつかあります。湖は岐阜県飛騨市の諏訪湖をモデルという説があり、制作時期に湖ができた事例として参考にしたのかもしれませんね。
ティアマト彗星の軌道がおかしい？
映画の劇場公開時に、とある重要なシーンでティアマト彗星の軌道が矛盾していると話題になりました。問題のなったのが、テレビでこの彗星の接近を解説するニュースを流しているシーンで、彗星の軌道がおかしかったようです。
通常では太陽を通るはずが、彗星の予測軌道が太陽の手前でターンするように描かれていました。フィクションですので、これが監督の意図的だったのかは不明です。ですが、専門家や学生など劇場公開後に様々なところから指摘があり、問題が大きくなってしまったせいなのか、発売されたBlu-ray&DVDでは問題のシーンは修正されています。
多くの人は気にも留めなかったシーンかもしれませんが、何度か鑑賞した方や専門的に詳しい方には違和感があったのでしょうね。現在の作中では、もう見ることができない伝説のシーンとなったようです。
ティアマト彗星の落ちた日はいつ？
ティアマト彗星が落ちた日は、2013年10月4日です。ファンの間では、「地球に最接近する日」として、この日になるとネット上で話題に挙げていることが多いです。
そして、ティアマト彗星は上空で突如二つに分裂し、糸守町へ落下して町を壊滅させます。時刻は20時42分に隕石落下を受け、糸守町は未曾有の大災害に見舞われます。
また、余談としてはこの10月4日に映画「君の名は。」が累計動員数1000万人を突破した日だそうです。まさかこの日がまさか記念するべき日になっているとは、ただの偶然だとしてもなんだか不思議な力を感じてしまいますね。
まとめ
今回は「君の名は。」の物語に大きく関わるティアマト彗星について関連する出来事を交えながら詳しくご紹介しました。
ティアマト彗星は実在しませんが、名前の由来から隕石落下の事例、公式の設定まで新海誠監督のこだわりがより一層感じられたのではないでしょうか。
彗星による隕石で湖ができたり、爆発が起きたりすることが実際にあったら二人みたいに時間を巻き戻したくなりますね。新海誠監督のこだわりを感じながら彗星の綺麗なアニメーション映像がまた違った視点で楽しめそうです。
