記録的大ヒットをした新海誠監督の映画『君の名は。』その中で出てくる三葉の口噛み酒のシーンが話題になっています。
この記事では作中でも重要な役割を持っている口噛み酒とは何か、なぜ気持ち悪いと思われているのか、口噛み酒の神社と聖地の場所について紹介していきます。
君の名には宮水三葉の口噛み酒のシーンがある
口噛み酒は神事に用いられていたため、食物を噛むのは巫女が選ばれていたので主に女性が造っていました。作中に登場する三葉も宮水家の巫女であり、口噛み酒を造る使命がありました。
また「宮水」という苗字にもお酒との関係があります。いいお酒ができると有名な神戸の灘地域から湧き出る水が「宮水」で、酒造りに適している名水と言われています。
口噛み酒とは何？
「君の名は。」で話題になった口噛み酒。大隅国（現在の鹿児島県東部）では、水と米を用意し男女が米を噛ん専用の容器に吐き入れ、酒の香がしてきた頃にまた集まり吐き入れた者たちが飲む。これを口噛み酒と呼んでいて、女性が作ることから「美人酒」とも言われています。
口噛み酒の材料となる食物
主な食物は米などの穀物やイモ類といったデンプンを含むものになります。唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化させ、野生酵母が糖を発酵してアルコールを作り出しています。
飛騨市にある渡辺酒造さんから名酒「蓬莱」が入っている「口噛み酒」風が登場しました。忠実に再現されており、ファンにとってはとても嬉しいことでした。
口噛み酒飲むシーンが気持ち悪いと言われている？
口噛み酒を造っているのはヒロインの宮水三葉と妹の四葉です。このシーンが流れたときネット上では様々な受け止め方をされていて、中には気持ち悪いといった反応も見られました。
気持ち悪いといった感想を持っている人の中には、「口に入れたものを出す」といった衛生面で苦手なイメージを持ってしまうと思われます。お酒はもともと雑菌などを無くして造られるので、口噛み酒も同じように造られます。しかしながら、やはり衛生面は気になってしまうところですね。
苦手なイメージを持っている人もいる中で、「飲んでみたい」といった意見も見られました。
なぜ口噛み酒が必要？意味は？
口噛み酒を造るシーンは物語の舞台である「糸守町」の「宮水神社」で行われる祭事で出てきました。作中での口噛み酒は三葉と瀧が入れ替わるのに重要な役目を持っていて、特にラストでは口噛み酒は鍵になりました。
もともと二人には2013年に17歳の三葉と2016年に17歳の瀧で時差がありました。二人は頻繁に入れ替わりをしていましたが、ある時を境に入れ替わりができなくなってしまいます。瀧は連絡が取れなくなった三葉が心配になり、風景スケッチを手掛かりに糸守町へ向かいますが町は3年前に隕石が落ちて町ごと消滅してしまっていました。
瀧は三葉と入れ替わっている時に、口噛み酒を造り宮水神社の御神体へ奉納したことを思い出します。御神体には三葉が造った口噛み酒が供えられていて、また入れ替われると願いながら飲み再び入れ替われました。
口噛み酒がもつ意味
君の名は。ではもう一つキーワードとなる「ムスビ」が出てきます。
三葉のおばあちゃんである一葉、三葉と入れ替わった瀧、四葉は御神体に口噛み酒を奉納しにいく道中でおばあちゃんに「より集まって形を作り、ねじれて、からまって、時には戻って、途切れ、またつながり、それがムスビ、それが時間」と話をし「この奉納は神様と人間をつなぐ大切なしきたり」と続けます。
「三葉が造った口噛み酒＝三葉の半分」と一葉は言っているので、御神木の前で口噛み酒を飲んだ瀧は、三葉の一部を取り入れたようなものなので「ムスビ」ができたことになります。このことから口噛み酒を飲んだ時にお互いの魂を結びつけるムスビという神様の力で入れ替われたと考えられます。
口噛み酒の神社と聖地の場所
話題となった口噛み酒の神社はどこがモデルになっているのか気になりますね。
宮水神社のモデル
①飛騨山王宮・日枝神社
こちらは岐阜県高山市にある神社です。作中で出てきた宮水神社のモデルの一つで、宮水神社と飛騨山王宮・日枝神社の鳥居がとても似ていることからモデルになっていると言われています。
②気多若宮神社
こちらも岐阜県飛騨市にある神社です。飛騨山王宮・日枝神社の方は鳥居が似ていると言われたのに対し、左右にある灯篭が似ていると言われています。
宮水神社は、気多若宮神社の入り口に似たところが登場していたり、両方の神社の特徴があるのでどちらもモデルになっていると言えると思います。
口噛み酒の聖地
聖地とされているのは長野県佐久市にある新海三社神社の神楽殿です。三葉が巫女舞を捧げる神楽殿のモデルになったと言われています。新海監督が長野出身で、佐久市にある高校を卒業していることから関係はありそうですね。
まとめ
「君の名は。」に出てくる口噛み酒について紹介してきました。
現在も聖地巡礼をしている人もいることから人気の高さが分かりますね。
